学生が「教育社会学」の授業で作成した問題

  • 2017.11.29 Wednesday
  • 22:23

部屋を掃除していると、本棚の奥から「教育社会学期末レポート」なるクリアファイルが出てきた。ファイルを開けると、何年も前に自分が担当していた教職課程の授業(教育社会学)の期末レポートが出てきて、あらためて読むとどれも面白かった。

 

何をテーマとするレポートを出すべきか当時とても悩んでいて、あれこれ考えたあげく、「そうだ、この授業の内容を踏まえて、学生自身にこの授業の試験問題を考えてもらおう」ということになり、学生には試験問題とその模範解答を作成・提出してもらうことにしました。

 

以下、学生自身が作成した三つの問題です。文のねじれや表現で少し気になるところもありますが、そのまま引用します。なお、´は同じ学生が作成した問題です。

 

**********

ー業内で扱った志水宏吉の第三章「学力の基礎はどう形作られるか」(『学力を育てる』岩波書店、2005年)の中では、イギリスの教育社会学者B.バーンスティンの「言語コード論」が取り上げられている。彼は実証研究を積み重ね、“話し言葉の表出を規制する原理”と説明される「言語コード」という考えを導き出した。さて、言語コードは「精密コード」と「限定コード」に分けられるが、それぞれについて簡潔に説明せよ。

 

⊃靴燭忙纏を始めても辞職、あるいは何らかの理由で解雇され、ホームレス生活を送らざるを得ない人がいる。このような人たちを表わす問題を「意欲の貧困」と呼んでいるが、(1)「意欲の貧困」とはどのような状態のことを指しているのか。簡潔に説明しなさい。(2)また「経済的困窮」と「意欲の貧困」にはどのような関係があるのか。具体的な“溜め”の例を挙げながら説明しなさい。

 

授業内で扱った広田輝幸の『日本人のしつけは衰退したか』では、子どものしつけの担い手としての、家族・地域共同体・学校の三者関係は、戦後の日本社会で大きく変化してきたことが述べられている。どのように変化していったのか、下記の単語を最低一回以上使用しながら述べよ。

 

地域共同体 学校 家族 パーフェクトチャイルド パーフェクトマザー 責任 従属

**********

 

例えば、○○を踏まえて△△に関する理解が■■に到達しているかどうかがわかるように作問しなさい、というほど詳細な指示はしていなかったので、基本的には〈覚えている/覚えていない〉という次元での理解を問う問題文ではありますが、どれも決して簡単に解答できるわけではないように思います。

 

学生自身が作問し模範回答も作成するというレポート課題を出したとき、学生たちは戸惑っていましたが、提出後に話を聞いてみると、結構面白がってやってくれたようでした。上記の問題が「最高」と言いたいわけではなく、またこのような課題が最適と考えているわけでもありませんが、「論題」を工夫すれば、学生はこちらが想像した以上に考えてくれるのだな、と感じたということです。

 

本とファイルでぐちゃぐちゃになった本棚を整理すると、たまにはよいこともあります。

 

 

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