『「若者支援」のこれまでとこれから:協同で社会をつくる実践へ』

  • 2016.02.22 Monday
  • 23:22

 若者支援全国協同連絡会編『「若者支援」のこれまでとこれから』を読みました。若者支援に関する歴史や関連制度、様々な取組を簡潔に紹介しつつ、それらとあわせて「生きづらい」私たちの社会の在りようをわかりやすく照射する好著でした。若者支援に関する本ではありますが、色々問題を抱えた私たちの社会をどう組みなおしていくのかに関する実践論であるとも思いました。
 大切なことがいくつも書かれていますが、以下は「支援」を考えるうえで(自分が)忘れないようにしたいと思った箇所です。

○人々の暮らしを支える三つの要素(これらの基盤が揺らぎ、奪われていることから「生きづらさ」が生じている)

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 まず、人が人として生きていく上で最も根源的な要素としてあるのが、「自分は生きていていいんだ」「ここに居ていいんだ」という、自己・他者・社会に対する基本的な信頼です。(中略)居場所確保の支援は、最初は支援者との一対一の関係を軸に展開されることが多いですが、2人だけでは「社会」になりません。支援者との間に築かれた信頼を拠りどころにしながら、他のスタッフや同じような境遇で苦しむ若者など、支援の場を共有している人々のなかに入っていき、受け入れられていくという経験を積んでいきます。(65-66頁)

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 生活基盤は、単に経済的・物理的な資源の保障にとどまりません。日常生活における「生活リズム」もまた、重要な基盤です。社会的な場を奪われるということは、その社会に付随してくるさまざまな「予定」「目的」をも奪われることとなり、生活リズムも確保しづらくなります。(中略)相談の予定があるということ、行ってもいい場所が確保されていること、待ってくれている人がいるということ。(67-68頁)

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 居場所と生活基盤が確保されていれば、なんとか最低限生きてはいけます。しかし、それだけでは「健康で文化的な」生活とは言えません。というのも、人間は社会的かつ発達的な存在であり、「誰かと共に生きる」「自己の力を発揮する」ということへの欲求もまた根源的なものとして位置づいているからです。その両者の結節点にあるのが、「誰かの役に立つ」という、社会的な次元での自己有用感です。(中略)注意しなければいけないのが、外在的な「できる/できない」という二元的評価ではなく、「どこまでできていて、何ができていないか」という、個別具体的な状況に即した教育的評価(たとえば励ましなど)が軸に据えられていなければならないということです。たとえば、外在的な視点からすると「寝たきり」とされがちな病人も、その人自身の状態に視点を置いてとらえ直せば、「目が覚めることができる」「体を傾けることができる」などと評価することも可能です。(68-70頁)

 

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